本記事では、ベトナム製造業の賃金相場を徹底解説します!最低賃金引き上げ後も、日本の約5分の1という圧倒的な人件費メリットは健在です。輸送費や関税を含めてもなお、国内製造よりトータルコストを抑えられる理由を紐解いていきます。

1. 日本の約5分の1?ベトナム製造業の最新賃金相場と「手残り」の実態
ベトナム調達を検討する際、最も気になるのが「実際の人件費はどれくらいなのか?」という点ではないでしょうか。2026年現在、ベトナムの製造業における賃金相場は、日本と比較して大幅に低く、これがベトナム調達の大きなメリットとなっています。
ベトナムでは、地域ごとに最低賃金が設定されています。2026年現在、ベトナムの最低賃金は以下の通りです(地域によって異なります)。
- 第1地域(ハノイ・ホーチミンなど大都市):月額531万VND(約2.97万円)
- 第2地域(地方都市):月額473万VND(約2.64万円)
- 第3地域(工業団地周辺):月額414万VND(約2.31万円)
- 第4地域(農村部):月額370万VND(約2.07万円)
※為替レート:1万VND ≒ 60円で計算
日本の最低賃金(全国平均で時給約1,120円、月給換算で約18〜19万円)と比較すると、ベトナムの最低賃金は日本の約5分の1〜6分の1という水準です。
最低賃金はあくまで基準であり、実際の製造業ワーカーの賃金は、経験や技能に応じて上乗せされます。一般ワーカー、熟練ワーカー、技能工、エンジニアといった順番で賃金があがっていきます。日本の製造業ワーカーの平均月給が約25万〜35万円であることを考えると、ベトナムの賃金は日本の約5分の1〜10分の1という水準です。
私が入社してから初めてベトナムの賃金データを見たときは、正直驚きました。「本当にこんなに安いのか?」と。いくら人件費が安くても、彼らが低賃金で働いていたり劣悪環境を強いられているのであれば、そこに加担したくない、と思いました。しかし、実際に現地の工場を訪問してみると、この賃金水準でも現地では十分な生活ができることを実感しました。ベトナムの物価は日本の約3分の1程度であり、さらには住居費や食費が安いため、この賃金だとしても、生活が困窮しているというわけではないのです。
2. 輸送費・関税を払っても「ベトナム調達」が圧倒的に安い理由
「ベトナムの人件費が安いのは分かったけど、輸送費や関税を含めると結局高くつくのでは?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、実際には輸送費や関税を含めても、ベトナム調達のコストメリットは非常に大きいのです。前述の通り、ベトナムの人件費は日本の約5分の1〜10分の1です。この差があまりにも大きいため、輸送費や関税を加えても、なおトータルコストで大幅に安くなるケースが多いのです。
前回のコラムでも解説しましたが、日本とベトナムの間には、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)が締結されており、多くの工業製品の関税が撤廃または大幅に削減されています。特に、機械部品、電子部品、金属加工品などは関税が0%またはごく低い税率に設定されており、関税によるコスト増はほとんどありません。
ベトナム調達のコストメリットを正しく評価するには、部品単価だけでなく、輸送費、関税、検品コスト、不良品対応コストなど、すべてを含めた「トータルコスト」で比較する必要があります。その上でも、なおコストを抑えることは現実的に可能ということがお分かりいただけたでしょうか。
株式会社いわいでは、お客様のご要望に応じて、トータルコストのシミュレーションを提供しています。国内調達とベトナム調達を比較し、どちらが有利かを数値で示すことで、お客様の意思決定をサポートしています。輸送費や関税を加えても、人件費の差が圧倒的に大きいため、トータルではベトナム調達の方が有利なのです。
3. 賃金上昇は「質の向上」の証。今ベトナムを選ぶべき戦略的価値
ベトナムの賃金は、年々上昇しています。「賃金が上がっているなら、コストメリットが薄れるのでは?」と懸念される方もいるかもしれません。しかし、賃金上昇は必ずしもマイナスではありません。むしろ、「質の向上」の証として、ポジティブに捉えるべきです。
ベトナムの最低賃金は、過去10年間で年平均5〜10%のペースで上昇しています。2026年も引き続き、緩やかな上昇が続いています。この上昇率は、ベトナムの経済成長率とほぼ連動しており、国全体が豊かになっていることの表れです。賃金が上がることで、労働者の生活水準が向上し、優秀な人材が製造業に集まりやすくなっています。
そもそも、賃金が上昇しているということは、それだけ労働者の価値が高まっているということです。ベトナムの製造業では、技術教育が進み、若い世代が高度な技能を身につけています。賃金が上がることで、より優秀な人材が製造業に定着し、技術力が向上します。その結果、品質が安定し、複雑な加工にも対応できるようになります。
私が工場を訪問した際、現地のエンジニアが「賃金が上がることで、家族を養えるようになり、仕事に集中できるようになった」と話していたのが印象的でした。賃金上昇は、モチベーション向上にもつながっています。これはベトナムに限らず、私たち日本でも同じような行動心理はあるのではないでしょうか。
そして、賃金が上昇しているとはいえ、日本との賃金差はまだ非常に大きいのが実情です。つまり、今後も長期にわたって、ベトナムのコストメリットは維持される見込みです。むしろ、日本の人件費も上昇を続けているため、相対的な差はそれほど縮まらない可能性もあります。ベトナム調達を検討するなら、「今」がベストタイミングです。賃金は上昇していますが、まだ十分に低い水準であり、コストメリットは大きいです。
先輩社員からは、「10年前のベトナムは安いけど品質が不安定だった。今は品質も安定してきて、ちょうどいいタイミング」という話を聞きました。実際、私も現地を訪問して、その実感を持ちました。
4. なぜいわいのベトナム部品調達が選ばれるのか
株式会社いわいは、ベトナムでの部品調達において、多くのお客様から信頼をいただいています。その理由は、単なる「安さ」だけでなく、「品質」「納期」「コミュニケーション」のすべてにおいて、日本基準のサービスを提供しているからです。
株式会社いわいでは、多くのお客様のコスト削減を実現してきました。さらに、株式会社いわいの最大の強みは、「Zoomリアルタイム検品」をはじめとする独自の品質管理体制です。ベトナム工場での検品作業を日本からリアルタイムで確認できるため、品質トラブルのリスクを最小限に抑えられます。
また、現地には日本語が堪能なスタッフが常駐しており、図面の解釈や仕様変更の伝達もスムーズに行えます。これにより、コミュニケーションコストを削減し、トラブルを未然に防いでいます。また、お客様は複数の業者とやり取りする必要がなく、窓口が一本化されるため、コミュニケーションコストを大幅に削減できます。また、トータルコストのシミュレーションも提供しており、お客様の意思決定をサポートしています。
2026年現在、ベトナムの製造業における賃金相場は、日本の約5分の1という水準です。最低賃金は年々上昇していますが、それでも日本との差は非常に大きく、コストメリットは十分に維持されています。輸送費や関税を含めても、トータルコストで国内製造より大幅に安く抑えられるケースが多く、多くの企業がベトナム調達を選択しています。
株式会社いわいは、独自の品質管理体制、100社超の提携工場ネットワーク、ワンストップ対応により、お客様のコスト削減と品質確保を同時に実現しています。国内の製造原価高騰や納期遅延にお悩みの方、ベトナム調達を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。お客様の課題に寄り添い、最適なソリューションをご提案いたします。
5.実際にいわいが海外で調達した製品事例をご紹介
続いて、実際に当社がベトナムをはじめとした海外で調達した精密部品の製品事例をご紹介いたします。
空圧機器用六角プラグ

この製品は、品質を担保するために、材料に日本製の真鍮(C3604)を使用することが必須条件でした。そのためご相談前のお客様は、コストが割高になる国内での生産を余儀なくされていました。
そこで当社では、お客様の指定する日本製の材料をベトナムに輸入し、現地で製造するというスキームをご提案。これにより、品質条件を満たしたまま、大幅なコストダウンを実現しました。
クランプブロック

このクランプブロックの調達において、お客様は深刻なサプライチェーンの問題に直面していました。近年、国内では黒染め処理に対応できる加工業者が年々減少しており、「精密なマシニング加工」から「繊細な表面処理」までを一貫して任せられるサプライヤーが、国内では見つからなくなってしまったとのでした。
この将来的なお悩みに対し、当社はベトナムの提携工場での「一貫生産」をご提案いたしました。加工から表面処理までを別々の企業で行う場合、工程間の輸送で傷がつくリスクや、品質管理の分断といった問題が避けられません。しかし当社では、マシニング設備を保有する加工業者と、黒染め処理設備を保有する表面処理業者と、それぞれで最適なパートナー企業を選定いたしました。これにより、当社による一元的な品質管理体制の下で、移動に伴う品質リスクをゼロにし、お客様の厳しい要求をクリアすることが可能となります。
A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

アルミ(A6061)製のマニホールドブロックです。マシニング加工後、アルマイト処理を施して仕上げています。
この製品は、機能面・外観面において、一切の傷が許されないという非常に厳しい品質基準が設けられていました。そのためお客様は、品質が安定し、かつ信頼できる検査体制を持つサプライヤーを求めていらっしゃいました。
この厳格な品質要求に対し、当社はベトナムパートナーが持つ高度な品質保証体制でお応えました。
水処理機械用 カップリング

こちらは、水処理機械に使用されるステンレス(SUS304)製のカップリングです。高精度な四角穴(公差:-0, +0.05)の加工が特徴です。
今回のご相談は、お客様が直面していた、深刻な事業継続の課題から始まりました。まず、長年この部品を供給していた国内の仕入先が廃業してしまい、代替となるサプライヤーが見つからず、やむなくお客様が自社での内製化に踏み切りました。しかし、その頼みの綱であった社内の加工部門も、深刻な人手不足により、担い手がいなくなってしまうという危機的な状況に陥っていました。
お客様が「新たな職人を探して採用するしかない」とまでお考えだった、この「人手不足」という経営課題に対し、当社は海外での一貫生産をご提案いたしました。
超々ジュラルミン製 分配ブロック

こちらは、機械部品として使用されるアルミ(超々ジュラルミン:A7075-T651)製の分配ブロックです。直角度0.01、平行度・平面度0.02、さらにはH7の穴公差など、複数の厳しい幾何公差が求められる、高精度なマシニング加工品でした。
この製品の最大の課題は、A7075-T651という特殊な材質にありました。お客様はこれまで、「この材料は、専門業者でなければ材料入手も加工も不可能だ」とお考えでしたが、そのためアルミダイカスト専門業者にサプライヤーが限定されることで、コストが高止まりしている状況にありました。
この長年の課題に対し、当社はベトナムの提携工場でのワンストップ生産をご提案いたしました。当社の幅広いネットワークを駆使することで、特殊なA7075材の安定調達ルートを確保することも可能です。さらに、高い技術力を持つパートナー企業にて、材料調達から高精度なマシニング加工、黒アルマイト処理、そして精密検査までを一貫して行うことで、大幅なコストダウンを実現いたしました。
お客様からは、「専門業者しか扱えない」という長年の思い込みが覆され、品質を維持したまま、これほど大きなコストダウンが実現できたことに、驚きと喜びの声をいただいております。
組立冶具(エア便 特急対応)

生産ラインで使用されるアルミ(A2017)製の組立治具です。今回は「受注後5日間」という、極めて短い納期でのご依頼でした。
今回のお客様は、急な仕様変更により、組立治具が特急で必要となったとのことでした。しかし、海外調達では船便輸送が基本となるため、このような超短納期での対応は不可能だとお考えでした。
この「特急対応」という非常に高いハードルのご要望に対し、当社はベトナムでの製造と、輸送手段を航空便(エア便)に切り替えるというスキームをご提案いたしました。製造から出荷までを最優先で進め、航空便を活用することで、受注からわずか5日間という、国内調達と変わらないスピードでお客様の元へ製品をお届けすることに成功しました。
丸頭特殊ボルト

機械部品として使用されるSUJ2製の丸頭特殊ボルトです。冷間加工で成形され、真球度S0.03という極めて高い精度が求められます。
このお話は、お客様が長年取引していた国内の冷間加工メーカーが廃業してしまい、この特殊ボルトのサプライチェーンが完全に途絶えてしまったという、深刻なご相談から始まりました。特に、SUJ2という材質の冷間加工と、その後の高周波焼入れまでを一貫して対応できる、高い技術力を持ったサプライヤーであったため、代替先を見つけるのは絶望的な状況でした。
この危機的な状況に対し、当社はベトナムでのワンストップ生産をご提案。当社のネットワークを駆使し、SUJ2材の冷間加工に対応できるだけでなく、現地で高周波焼入れまで一貫して行えるという、お客様の要求を完璧に満たすパートナー企業をベトナムにて選定し、お客様とマッチングして解決いたしました。
丸頭特殊ボルトアッセンブリ

こちらは、特殊ボルト(SCM440他)と複数の部品からなる、丸頭特殊ボルトアッセンブリです。各種サイズを取り揃え、最終の梱包まで含めたOEM供給に対応しています。
このお話は当初、お客様が取引していた国内の部品メーカーが廃業してしまい、構成部品である「特殊ボルト単品」の調達先を探している、というご相談から始まりました。
しかし、当社がお話をお伺いする中で、お客様がその特殊ボルトを調達後、他の部品と組み合わせて社内で組立・梱包作業を行っており、その工数や管理コストが大きな負担となっていることが分かりました。そこで当社は、単にボルト単品を製造するのではなく、関連部品の調達から組立、梱包までをすべて一貫して海外で行う「アセンブリ供給」をご提案いたしました。組立工程の半自動化なども含めた、トータルコストダウンのスキームを設計いたしました。
いわいが提供する「安心」の海外部品調達
日本の製造業は今、これまでにない構造的な転換点を迎えています。少子高齢化による後継者不足、長年蓄積されてきた技術の継承停滞、さらには仕入れ先の廃業や撤退といったリスクが現実のものとなりつつあります。これにより、これまで当たり前とされてきた国内中心の調達体制が揺らぎ始め、調達のあり方そのものを見直す必要性が高まっているのです。こうした環境変化の中、いわいは「これからの時代に本当に信頼できる調達パートナー」として選ばれています。
当社が提案する海外調達の中心は、ものづくりの拠点として近年著しい成長を遂げているベトナムです。しかし、いわいのベトナム調達は単なるコスト削減の手段ではありません。品質・納期・供給体制といった調達全体の信頼性を重視し、安心して利用できる仕組みを構築しています。現地企業との継続的な信頼関係を土台に、契約・財務面の実務にも強みを発揮。さらに、日本の製造現場で求められる品質基準を深く理解したパートナー企業の選定を徹底することで、国内と同等の品質を安定的に提供することが可能となっています。
また、いわいは単なる部品の調達にとどまらず、設計段階から製造までを一貫して支援する体制を整えています。図面のデータ化やペーパーレス化、設計サポートなどの上流工程から、部品製造・調達までをワンストップで対応。国内外のCADオペレーターと連携し、スピーディかつ正確な設計・製造プロセスを実現しています。これにより、お客様の設計意図を確実に反映させた部品を短納期で供給し、開発スピードと品質の両立が可能に。さらに、DXを活用した調達体制により、手間やコストを最小限に抑えながら、高効率かつ高精度な部品調達ができます。
部品加工海外の海外調達を検討されている企業様はぜひ一度ご相談ください。