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ASEANでのサプライチェーン強靭化の進め方|ベトナム海外調達でBCPリスクを解消する方法

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目次

「もし、この部品を納めている工場が廃業したら…」そんな不安が、調達部門の頭をよぎる時代になりました。国内サプライヤーの高齢化と廃業ラッシュは、もはや他人事ではなく、多くの製造業にとって切実なBCPリスクとなっています。

こうした中で注目を集めているのが、ASEANサプライチェーン強靭化戦略です。単なるコスト削減ではなく、調達リスク分散を通じて経営の安定性を確保する—これが現代の製造業に求められる選択肢となってきました。
今回は、なぜASEANへの調達分散が急浮上しているのか、そしてなぜベトナムが選ばれるのかを解説します。さらに、実際に海外調達を進める際に直面する現場の壁についても、生々しい実態をお伝えします。

1. ASEANサプライチェーン強靭化とは何か?

サプライチェーン強靭化が製造業で急浮上した背景

かつて、調達戦略の中心は「コスト最適化」でした。いかに安く仕入れるか、そしていかに在庫を最小化するか—この効率重視の思想が、日本の製造業を支えてきました。しかし、2020年代に入り、その前提が大きく揺らぎました。

国内サプライヤーの廃業ラッシュです。高齢化による経営者の引退、後継者不足、採算悪化—こうした要因が重なり、優れた技術を持ちながらも廃業する工場が増え続けています。「この部品はこの工場でしか作れない」という1社依存の状況は、供給途絶時に事業そのものの継続を脅かすリスクとなりました。

同時に、米中摩擦や地政学的リスクが加速しています。サプライチェーンの過度な集中は、こうした国際的な不確実性にも脆弱です。結果として、製造業は「効率」から「強靭性」へと軸足を移す必要に迫られたわけです。

先輩からこの話を初めて聞いた時、「単なるコスト削減じゃないんですね」と驚いたことを覚えています。調達って、昔は「安く買う」ことだけが目的だと思ってたんですけど、実は会社全体のリスク管理の一部なんだなって。その時点で、海外調達の見方がガラッと変わりました。

なぜASEANのなかでもベトナムが選ばれているのか

ASEANの中でも、ベトナムが注目を集めるのには理由があります。

まず、労働力です。ベトナムは人口が約1億人と多く、特に若年層の労働力が豊富です。産業の高度化に必要な技術者育成も進んでおり、機械加工などの高度な製造技術を習得する人材が毎年輩出されています。

次に、投資環境です。日本、韓国、台湾などからの製造業進出が相次いでいます。こうした外資系企業がもたらす製造ノウハウが、ベトナムの産業基盤を急速に高めています。特に日系企業による品質管理の指導が浸透したことで、「ASEAN製=低品質」というイメージは過去のものになりつつあります。

さらに、政治的な安定性とビジネス環境の整備も挙げられます。他のASEAN諸国と比較しても、ビジネス法制の整備が進み、海外企業との契約・紛争解決の枠組みが比較的明確です。複数のベトナム工場から見積もりを取った時のことです。あるメーカーの見積もり内容を見て、「え、国内工場とほぼ同じ品質基準で、この単価?」と思いました。5年前なら絶対にありえない話です。ベトナムの製造業が本当に進化してるんだな、って実感しました。

ベトナムと中国への調達分散はどちらが現実的か?

「調達分散」と聞くと、つい複数国への発注を想像しがちです。ベトナムと中国、両方から調達すればいいのでは?という質問も多く寄せられます。確かに理屈としては正しいのですが、現実はもう少し複雑です。

中国は依然として大ロット生産・短納期・低単価の点で、世界に比類なき競争力を持っています。ただし品質管理の課題、知的財産権保護の懸念、地政学リスクといった課題も併せ持っています。ベトナムは品質管理レベルが高く、日本企業との協力関係を築きやすいという強みがあります。一方で、大ロット対応力や納期の融通性では中国に劣る傾向があります。つまり、調達戦略としては「全てをベトナムに」ではなく、「品質・安定性を重視する精密部品や小ロット品はベトナム、大ロット・汎用部品は中国」という使い分けが現実的なのです。それでも、国内1社依存という最悪のシナリオからは脱却できます。

打ち合わせで、調達分散の是非について経営陣と議論したことがあります。その時に初めて理解したのが、「リスク回避のための調達分散」という考え方です。100%の最適化を求めるのではなく、70%の最適化を2カ所で実現する—そういう柔軟性が、今の製造業には必要なんだと感じました。

2. 海外調達で実際に起きている「生々しい」壁とは何か?

「図面に書いていないことはやらない」文化の壁

ベトナムサプライチェーン強靭化の理屈は理解できても、実際の調達過程では想定外の課題が次々と現れます。その代表例が、「文化の壁」です。

日本の製造現場では、「暗黙の了解」が支配的です。図面に全てが記載されているわけではなく、職人の経験と勘が補完する。指示されていない配慮が当たり前に行われており、丁寧であるからこそ、ある意味「お任せ」する部分があります。一方、ベトナムの工場では、「指示に書かれたことだけをやる」という文化が支配的です。つまり、個人単位が「こうした方がより良い」ということに気づいたとしても、まずはシステマティックに指示書通りのもので返す風習があります。逆に言えば、指示書にさえ載せておけばそれらを完遂してくれるので、指示を出す側が最初から細部まで丁寧に汲み取って指示をだしておけば吉とでるともいえます。

【関連記事】暗黙の了解に頼らない、正しい図面の伝え方
[海外調達を成功に導く加工図面の描き方と伝え方]

材料調達の落とし穴も深刻です。ベトナム国内で調達できない高度な材料の多くは、日本や中国から輸入する必要があります。この輸入材料費が積み重なり、部品単価は安くても、トータルコストでは国内とほぼ変わらないという事態が起きやすいのです。加えて、物流費です。海上輸送の保険料、港湾費用、現地での検査・梱包費用—こうした諸経費が、見積もり時には見落とされることが少なくありません。結果として「思ったより割高だった」という後悔が生まれます。

【関連記事】見積もり時の見落としを防ぐには?
[ベトナムで部品加工を外注する際の材料調達の注意点]

実際に納入された部品を手にした時の感覚を覚えています。寸法精度は完璧。表面仕上げも指示通り。なのに何か違和感がある。見てみると、その部品が組み立てられる本体との接触部分の角が、ちょっと危険な仕上がりになってた。その時に初めて「暗黙の了解の大切さ」を実感しました。こういう細かいディテールの積み重ねが、国内品質と海外品質の差なんだなって。

品質トラブル・契約トラブルが発覚しやすいタイミング

海外調達では、問題がゼロになることはどうしても難しいです。しかし、その問題が「いつ」「どのような形」で発覚するかが、対応の難しさを大きく左右します。

品質トラブルは、実はベトナムの工場で発覚するのではなく、日本での組み立て工程や品質検査時に発覚することが大多数です。なぜなら、前述の「指示に書かれたこと」という発想から、工場側はトラブルの可能性を「指示外」と見なす傾向があるためです。つまり、工場での自主検査では問題とされず、日本側での検査で初めて「これは不良です」と判断されるわけです。その時点で既に納期は迫っており、急いで対応する…という悪循環が生まれます。

契約トラブルも同様です。「納期」「品質基準」「責任の範囲」といった重要な項目が、双方の解釈で異なることが珍しくありません。こうした齟齬は、往々にして大きなトラブルになってから発覚するのです。

検査工程で不良品が見つかった時の対応を経験しました。工場に問い合わせると「指示に書かれた基準は全てクリアしている」という回答。こちらは「でも、実際に組み立てると問題が起きる」と説明する—このやり取りがすごく難しいんです。言葉の壁もあるし、そもそも「考え方の違い」が根底にあるから。その時に「単に翻訳するだけじゃ、海外調達はうまくいかない」ってことが分かりました。ここまで述べたような課題を全て自社で対応するのは、調達部門にとって相当な負担です。ベトナムサプライチェーン強靭化の理念は素晴らしくても、実行段階での現場の壁は想像以上に高いのが現実なのです。

3.いわいだからこそ可能な海外部品調達

「国内品質×海外調達」を実現!海外協力工場の実力を、映像でご確認ください!

【ベトナム企業紹介】 設計から塗装・アフターサービスまでワンストップ対応

本動画では、設計から生産、塗装、アフターサービスまで 一貫して対応できる海外協力企業をご紹介しています。

【海外協力企業紹介】NDAに基づく情報管理体制|部品加工海外調達センター

本来であれば製造現場の詳細をお見せしたいところですが、 本動画では、NDA(秘密保持契約)に基づき公開できない箇所にぼかし加工を施しています。

【ベトナム協力企業紹介】精密加工から組立・塗装までワンストップ。ベトナム巨大加工企業の実力

ベトナムで6拠点・従業員2000名規模の巨大加工企業をご紹介します。

実際にいわいが海外で調達した製品事例をご紹介

続いて、実際に当社がベトナムをはじめとした海外で調達した精密部品の製品事例をご紹介いたします。

空圧機器用六角プラグ

空圧機器用六角プラグ

この製品は、品質を担保するために、材料に日本製の真鍮(C3604)を使用することが必須条件でした。そのためご相談前のお客様は、コストが割高になる国内での生産を余儀なくされていました。

そこで当社では、お客様の指定する日本製の材料をベトナムに輸入し、現地で製造するというスキームをご提案。これにより、品質条件を満たしたまま、大幅なコストダウンを実現しました。

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クランプブロック

クランプブロック

このクランプブロックの調達において、お客様は深刻なサプライチェーンの問題に直面していました。近年、国内では黒染め処理に対応できる加工業者が年々減少しており、「精密なマシニング加工」から「繊細な表面処理」までを一貫して任せられるサプライヤーが、国内では見つからなくなってしまったとのでした。

この将来的なお悩みに対し、当社はベトナムの提携工場での「一貫生産」をご提案いたしました。加工から表面処理までを別々の企業で行う場合、工程間の輸送で傷がつくリスクや、品質管理の分断といった問題が避けられません。しかし当社では、マシニング設備を保有する加工業者と、黒染め処理設備を保有する表面処理業者と、それぞれで最適なパートナー企業を選定いたしました。これにより、当社による一元的な品質管理体制の下で、移動に伴う品質リスクをゼロにし、お客様の厳しい要求をクリアすることが可能となります。

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A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

アルミ(A6061)製のマニホールドブロックです。マシニング加工後、アルマイト処理を施して仕上げています。

この製品は、機能面・外観面において、一切の傷が許されないという非常に厳しい品質基準が設けられていました。そのためお客様は、品質が安定し、かつ信頼できる検査体制を持つサプライヤーを求めていらっしゃいました。

この厳格な品質要求に対し、当社はベトナムパートナーが持つ高度な品質保証体制でお応えました。

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水処理機械用 カップリング

水処理機械用 カップリング

こちらは、水処理機械に使用されるステンレス(SUS304)製のカップリングです。高精度な四角穴(公差:-0, +0.05)の加工が特徴です。

今回のご相談は、お客様が直面していた、深刻な事業継続の課題から始まりました。まず、長年この部品を供給していた国内の仕入先が廃業してしまい、代替となるサプライヤーが見つからず、やむなくお客様が自社での内製化に踏み切りました。しかし、その頼みの綱であった社内の加工部門も、深刻な人手不足により、担い手がいなくなってしまうという危機的な状況に陥っていました。

お客様が「新たな職人を探して採用するしかない」とまでお考えだった、この「人手不足」という経営課題に対し、当社は海外での一貫生産をご提案いたしました。

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超々ジュラルミン製 分配ブロック

超々ジュラルミン製 分配ブロック

こちらは、機械部品として使用されるアルミ(超々ジュラルミン:A7075-T651)製の分配ブロックです。直角度0.01、平行度・平面度0.02、さらにはH7の穴公差など、複数の厳しい幾何公差が求められる、高精度なマシニング加工品でした。

この製品の最大の課題は、A7075-T651という特殊な材質にありました。お客様はこれまで、「この材料は、専門業者でなければ材料入手も加工も不可能だ」とお考えでしたが、そのためアルミダイカスト専門業者にサプライヤーが限定されることで、コストが高止まりしている状況にありました。

この長年の課題に対し、当社はベトナムの提携工場でのワンストップ生産をご提案いたしました。当社の幅広いネットワークを駆使することで、特殊なA7075材の安定調達ルートを確保することも可能です。さらに、高い技術力を持つパートナー企業にて、材料調達から高精度なマシニング加工、黒アルマイト処理、そして精密検査までを一貫して行うことで、大幅なコストダウンを実現いたしました。

お客様からは、「専門業者しか扱えない」という長年の思い込みが覆され、品質を維持したまま、これほど大きなコストダウンが実現できたことに、驚きと喜びの声をいただいております。

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組立冶具(エア便 特急対応)

組立冶具(エア便 特急対応)

生産ラインで使用されるアルミ(A2017)製の組立治具です。今回は「受注後5日間」という、極めて短い納期でのご依頼でした。

今回のお客様は、急な仕様変更により、組立治具が特急で必要となったとのことでした。しかし、海外調達では船便輸送が基本となるため、このような超短納期での対応は不可能だとお考えでした。

この「特急対応」という非常に高いハードルのご要望に対し、当社はベトナムでの製造と、輸送手段を航空便(エア便)に切り替えるというスキームをご提案いたしました。製造から出荷までを最優先で進め、航空便を活用することで、受注からわずか5日間という、国内調達と変わらないスピードでお客様の元へ製品をお届けすることに成功しました。

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丸頭特殊ボルト

丸頭特殊ボルト

機械部品として使用されるSUJ2製の丸頭特殊ボルトです。冷間加工で成形され、真球度S0.03という極めて高い精度が求められます。

このお話は、お客様が長年取引していた国内の冷間加工メーカーが廃業してしまい、この特殊ボルトのサプライチェーンが完全に途絶えてしまったという、深刻なご相談から始まりました。特に、SUJ2という材質の冷間加工と、その後の高周波焼入れまでを一貫して対応できる、高い技術力を持ったサプライヤーであったため、代替先を見つけるのは絶望的な状況でした。

この危機的な状況に対し、当社はベトナムでのワンストップ生産をご提案。当社のネットワークを駆使し、SUJ2材の冷間加工に対応できるだけでなく、現地で高周波焼入れまで一貫して行えるという、お客様の要求を完璧に満たすパートナー企業をベトナムにて選定し、お客様とマッチングして解決いたしました。

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丸頭特殊ボルトアッセンブリ

丸頭特殊ボルトアッセンブリ

こちらは、特殊ボルト(SCM440他)と複数の部品からなる、丸頭特殊ボルトアッセンブリです。各種サイズを取り揃え、最終の梱包まで含めたOEM供給に対応しています。

このお話は当初、お客様が取引していた国内の部品メーカーが廃業してしまい、構成部品である「特殊ボルト単品」の調達先を探している、というご相談から始まりました。

しかし、当社がお話をお伺いする中で、お客様がその特殊ボルトを調達後、他の部品と組み合わせて社内で組立・梱包作業を行っており、その工数や管理コストが大きな負担となっていることが分かりました。そこで当社は、単にボルト単品を製造するのではなく、関連部品の調達から組立、梱包までをすべて一貫して海外で行う「アセンブリ供給」をご提案いたしました。組立工程の半自動化なども含めた、トータルコストダウンのスキームを設計いたしました。

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海外部品調達代行はいわいにお任せください!

海外調達の納期遅延は、サプライヤー、物流、品質、実務など複合的な原因で発生します。これらのリスクは、一般的な対策だけでは防ぎきれません。

いわいは、独自の「日本品質」基準でのサプライヤー選定、リアルタイム進捗管理Zoom検品による手戻り防止、そして複雑な貿易実務のワンストップ代行により、納期遅延リスクを極限まで低減。貴社の生産計画を守り、「確実な納品」と「安心」を実現する海外部品調達代行は、いわいにお任せください。

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