「この部品加工から組立まで、全部ベトナムでできないですか?」
といった質問を調達担当者から受けることが、最近増えてきました。
その背景には、国内製造業が深刻なリソース不足に直面しているという現実があります。部品加工だけなら海外調達も一般的ですが、組立やアッセンブリまで全て一括で依頼ができるなら、という期待。実は、その期待はベトナムでは十分に実現可能なのです。今回のコラムでは、ベトナムでの一貫対応がなぜ可能なのか、その実現を支える調査力とは何かを解説していきます。

ベトナムでの部品加工と組立・アッセンブリの現状
ベトナムの製造業は、ここ10年で急速に高度化しています。かつては「人件費が安いから単純加工」という位置づけでしたが、今は全く違います。今までのコラムでも、コスト面、技術面などでいかにベトナム製造業が日本の基準値に合っているか、もしくはそれを越えてくるかは解説してきました。しかしさらに、依頼できる範疇に関しても私たちにとって今ベトナムでの製造は必要不可欠な存在なのです。
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機械加工、溶接、レーザー加工、プレス加工—こうした多様な工程に対応する工場が、ベトナムには存在することに加えて、こうした各工程を一つの工場で対応できる企業も、珍しくなくなってきました。つまり「加工から組立まで全てベトナムで完結することは可能か」という冒頭の質問に関して、「可能です」という良い回答が今の私たちにはあります。部品加工から最終的な組立・アッセンブリまで、ベトナムでの完結が技術的には十分可能な時代になっているのです。
装置メーカーが直面する調達の限界と「丸投げ」への期待
なぜ、調達担当者は「ベトナムに全て依頼できないか」と聞くようになったのか。その背景は、国内のリソース不足という深刻な現実にあります。
国内の製造業は、人手不足と高齢化に直面しています。特に、部品加工を請け負う下請け工場の廃業が相次いでいます。加えて、多くのメーカーは、自社で組立やアッセンブリを行うリソースも不足している状況にあります。
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結果として、「部品加工はベトナムで、その後の組立は国内で」という二段階対応が必要になり、それによる工数増加、納期延伸、コスト上昇が課題になっているわけです。
調達の打ち合わせで「うちの国内アッセンブリラインも満杯なんです」という話を初めて聞いた時、正直驚きました。それまでは「部品加工を海外で、組立は国内で」といった流れが当たり前だと思っていたため、実は国内でもキャパが足りないという現実があるということに気づきました。
ベトナム完結か日本組立か?ベトナムでできることの範囲
前述のとおり、確かにベトナムで加工と組立全てを完結することは可能なのです。しかし、とはいえベトナムのどこに依頼しても全てその工場で完結できるかといったら、そうではありません。そのため、どこに依頼をするか、その工場の見極め方が重要になってきます。
ベトナムの工場の中には、部品加工だけでなく、溶接、レーザー加工、プレス加工、機械加工といった複数工程を一貫対応できる企業があります。さらに、検査体制も日本と同等レベルまで高度化している工場も増えています。
そして、組立・アッセンブリについても、適切に指示書を渡し、品質基準を明確にすれば、ベトナムでの完結は十分可能です。つまり、「技術的には可能」なのです。ただし、それが「現実的に成功するか」は別問題。そこにかかわるのが、工場の選定と、その後のコミュニケーションの質なのです。
「現地に足を運ぶ」からこそ見つかる、ベトナム独自の調達・調査力
ここで重要になるのが、いわいが持つ強みです。それは「現地調査力」です。
多くの企業は、図面を送って、メールでやり取りして、サンプルをもらって判断します。確かに、それでも取引は可能です。ただし、失敗のリスクが高いのです。
なぜなら、その工場が本当に「全部依頼した場合、それに対応できるレベル」なのか、を見極めるためには、実際に現地に足を運んで、工場の設備、職人の技術、組織的な対応力を自分の目で確認する必要があるからです。
メール対応だけでは分からないことが、現地にはあります。例えば、「この工程は自社でやってると言ってるけど、実は下請けに出してるんじゃないか」とか、「検査体制があると言ってるけど、実際には新人任せになってないか」とか、こうした細かなリアルは、現地に行かないと見えないのです。日本の企業同士ですと、もとからもっている共通認識があるため、リモートのやりとりや文章を交わすことで多くの事が前進します。しかし、海外相手だとここに関しては、リモートだけではなくリアルでのやりとりがかなり重要になってきます。
初めてベトナムの工場を一軒一軒訪問して、実際に現場を見てみると、メール対応や見積もり書だけでは分からないことばかりでした。例えば、同じ「溶接対応」と言ってる工場でも、一つの工場は最新のロボット溶接設備があるのに対し、別の工場はほぼ手作業。品質基準も、検査体制も全然違う。「あ、現地に来ないと、本当のことは何も分からないんだな」と痛感しました。逆にいえば、行けばクリアになることも多いということです。
「これベトナムで作れるの?」を調査する調査力がいわいの強み
ここで、いわいの強みが活かされます。まず、ベトナム国内の工場群を熟知していることです。どの工場が、どんな加工に強いのか、検査体制はどうなのか、納期対応力はあるのか—こうした情報を、実際の訪問を通じて蓄積しているのです。そして、現地でのコミュニケーション能力です。言語の壁、商習慣の違い、品質基準のズレ—こうした課題を、実際の現地対応を通じて乗り越えるスキルを持っています。さらに、「これはベトナムで作れるのか」という判断力です。クライアントから「この部品、丸投げできますか」と聞かれた時、適切な工場を選定し、適切な品質基準を設定し、適切なコミュニケーション体制を構築する。そうした総合的な判断ができるのです。
ベトナム調達による一貫対応は、技術的には十分に可能な時代です。ただし、その成功の鍵は、工場の選定と、その後の綿密なコミュニケーションにあります。現地に足を運んで、調査し、判断する—その力こそが、ベトナムで完結することを現実にしていけるのです。
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「国内品質×海外調達」を実現!海外協力工場の実力を、映像でご確認ください!
実際にいわいが海外で調達した製品事例をご紹介
続いて、実際に当社がベトナムをはじめとした海外で調達した精密部品の製品事例をご紹介いたします。
空圧機器用六角プラグ

この製品は、品質を担保するために、材料に日本製の真鍮(C3604)を使用することが必須条件でした。そのためご相談前のお客様は、コストが割高になる国内での生産を余儀なくされていました。
そこで当社では、お客様の指定する日本製の材料をベトナムに輸入し、現地で製造するというスキームをご提案。これにより、品質条件を満たしたまま、大幅なコストダウンを実現しました。
クランプブロック

このクランプブロックの調達において、お客様は深刻なサプライチェーンの問題に直面していました。近年、国内では黒染め処理に対応できる加工業者が年々減少しており、「精密なマシニング加工」から「繊細な表面処理」までを一貫して任せられるサプライヤーが、国内では見つからなくなってしまったとのことでした。
この将来的なお悩みに対し、当社はベトナムの提携工場での「一貫生産」をご提案いたしました。加工から表面処理までを別々の企業で行う場合、工程間の輸送で傷がつくリスクや、品質管理の分断といった問題が避けられません。しかし当社では、マシニング設備を保有する加工業者と、黒染め処理設備を保有する表面処理業者と、それぞれで最適なパートナー企業を選定いたしました。これにより、当社による一元的な品質管理体制の下で、移動に伴う品質リスクをゼロにし、お客様の厳しい要求をクリアすることが可能となります。
A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

アルミ(A6061)製のマニホールドブロックです。マシニング加工後、アルマイト処理を施して仕上げています。
この製品は、機能面・外観面において、一切の傷が許されないという非常に厳しい品質基準が設けられていました。そのためお客様は、品質が安定し、かつ信頼できる検査体制を持つサプライヤーを求めていらっしゃいました。
この厳格な品質要求に対し、当社はベトナムパートナーが持つ高度な品質保証体制でお応えいたしました。
水処理機械用 カップリング

こちらは、水処理機械に使用されるステンレス(SUS304)製のカップリングです。高精度な四角穴(公差:-0, +0.05)の加工が特徴です。
今回のご相談は、お客様が直面していた、深刻な事業継続の課題から始まりました。まず、長年この部品を供給していた国内の仕入先が廃業してしまい、代替となるサプライヤーが見つからず、やむなくお客様が自社での内製化に踏み切りました。しかし、その頼みの綱であった社内の加工部門も、深刻な人手不足により、担い手がいなくなってしまうという危機的な状況に陥っていました。
お客様が「新たな職人を探して採用するしかない」とまでお考えだった、この「人手不足」という経営課題に対し、当社は海外での一貫生産をご提案いたしました。
超々ジュラルミン製 分配ブロック

こちらは、機械部品として使用されるアルミ(超々ジュラルミン:A7075-T651)製の分配ブロックです。直角度0.01、平行度・平面度0.02、さらにはH7の穴公差など、複数の厳しい幾何公差が求められる、高精度なマシニング加工品でした。
この製品の最大の課題は、A7075-T651という特殊な材質にありました。お客様はこれまで、「この材料は、専門業者でなければ材料入手も加工も不可能だ」とお考えでしたが、そのためアルミダイカスト専門業者にサプライヤーが限定されることで、コストが高止まりしている状況にありました。
この長年の課題に対し、当社はベトナムの提携工場でのワンストップ生産をご提案いたしました。当社の幅広いネットワークを駆使することで、特殊なA7075材の安定調達ルートを確保することも可能です。さらに、高い技術力を持つパートナー企業にて、材料調達から高精度なマシニング加工、黒アルマイト処理、そして精密検査までを一貫して行うことで、大幅なコストダウンを実現いたしました。
お客様からは、「専門業者しか扱えない」という長年の思い込みが覆され、品質を維持したまま、これほど大きなコストダウンが実現できたことに、驚きと喜びの声をいただいております。
組立冶具(エア便 特急対応)

生産ラインで使用されるアルミ(A2017)製の組立治具です。今回は「受注後5日間」という、極めて短い納期でのご依頼でした。
今回のお客様は、急な仕様変更により、組立治具が特急で必要となったとのことでした。しかし、海外調達では船便輸送が基本となるため、このような超短納期での対応は不可能だとお考えでした。
この「特急対応」という非常に高いハードルのご要望に対し、当社はベトナムでの製造と、輸送手段を航空便(エア便)に切り替えるというスキームをご提案いたしました。製造から出荷までを最優先で進め、航空便を活用することで、受注からわずか5日間という、国内調達と変わらないスピードでお客様の元へ製品をお届けすることに成功しました。
丸頭特殊ボルト

機械部品として使用されるSUJ2製の丸頭特殊ボルトです。冷間加工で成形され、真球度S0.03という極めて高い精度が求められます。
このお話は、お客様が長年取引していた国内の冷間加工メーカーが廃業してしまい、この特殊ボルトのサプライチェーンが完全に途絶えてしまったという、深刻なご相談から始まりました。特に、SUJ2という材質の冷間加工と、その後の高周波焼入れまでを一貫して対応できる、高い技術力を持ったサプライヤーであったため、代替先を見つけるのは絶望的な状況でした。
この危機的な状況に対し、当社はベトナムでのワンストップ生産をご提案。当社のネットワークを駆使し、SUJ2材の冷間加工に対応できるだけでなく、現地で高周波焼入れまで一貫して行えるという、お客様の要求を完璧に満たすパートナー企業をベトナムにて選定し、お客様とマッチングして解決いたしました。
丸頭特殊ボルトアッセンブリ

こちらは、特殊ボルト(SCM440他)と複数の部品からなる、丸頭特殊ボルトアッセンブリです。各種サイズを取り揃え、最終の梱包まで含めたOEM供給に対応しています。
このお話は当初、お客様が取引していた国内の部品メーカーが廃業してしまい、構成部品である「特殊ボルト単品」の調達先を探している、というご相談から始まりました。
しかし、当社がお話をお伺いする中で、お客様がその特殊ボルトを調達後、他の部品と組み合わせて社内で組立・梱包作業を行っており、その工数や管理コストが大きな負担となっていることが分かりました。そこで当社は、単にボルト単品を製造するのではなく、関連部品の調達から組立、梱包までをすべて一貫して海外で行う「アセンブリ供給」をご提案いたしました。組立工程の半自動化なども含めた、トータルコストダウンのスキームを設計いたしました。
ベトナムでの金属加工品の調達は、株式会社いわいにお任せください!
今回お伝えしたように、ベトナム調達には大きなメリットがある反面、「文化や商習慣の違い」や「複雑な物流・関税によるコスト逆転」など、現場レベルでの複合的なリスクが潜んでいます。こうした海外調達ならではの「現場の壁」は、一般的な対策だけでは防ぎきれません。
いわいでは、厳しい審査をクリアしたベトナム優良工場のネットワークを活かし、独自の「日本品質」基準で最適なサプライヤーを選定しています。さらに、現地スタッフと連携した「Zoomリアルタイム検品」による手戻り防止や、日本語対応スタッフを介したスムーズな進捗管理、そして見落としがちな輸送・通関を含めた複雑な貿易実務のワンストップ代行により、品質・納期・コスト面のリスクを極限まで低減します。
国内工場の廃業リスク(BCP対策)への備えから、メイン拠点としての活用まで。貴社の生産計画を守り、「確実な納品」と「安心の品質」を実現するベトナム部品調達は、株式会社いわいにお任せください。


