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部品加工海外調達コラム

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海外部品調達の始め方とは?現地拠点なしでも「国内以上の品質」を実現するポイントを解説!

水処理機械用 カップリング

「海外からの部品調達を進めたいけど、現地拠点がないから品質管理が不安…!」調達担当者の多くの方が、このような不安を抱えているのではないでしょうか。本コラムでは、海外部品調達の基本的な始め方から、現地拠点がない場合の特有の課題、そして現地拠点がなくても「国内以上の品質」を達成するための具体的なポイント、さらには当社独自の品質保証体制やその成功事例まで、解説いたします。

海外部品調達とは?まず知っておきたいメリットとリスク

海外部品調達の主なメリット

海外部品調達には、企業の競争力強化につながる複数のメリットがありますが、最も大きなメリットは、調達コストの削減です。製造コストの低い地域から調達することで、国内調達と比較して大幅なコストダウンを実現できます。これにより、製品価格の競争力を高めることができます。

BCP対策としての効果も重要です。特定地域への調達集中によるリスクを分散し、供給の安定性を高めることができます。自然災害や政治的リスクなど、予期せぬ事態が発生した場合でも、代替調達先を確保できます。

また、国内では対応が困難な技術や製品へのアクセスが可能になります。特定の地域に集積している製造技術や、国内では生産されていない部品についても調達できるようになります。

海外部品調達をする際に注意すべき点

一方で、海外部品調達には注意すべき点も存在します。まず、品質管理が最大の課題です。製造現場が遠隔地にあるため、品質基準の共有や検査体制の構築が困難になります。また、品質問題が発生した際の迅速な対応も課題となります。

コミュニケーションの障壁も大きなリスクです。言語の違いに加え、商習慣や文化の差により、技術的な要求事項が正確に伝わらない可能性があります。

納期管理についても、輸送時間の長さや通関手続きなど、国内調達にはない複雑な要素が加わります。予期せぬ遅延が発生するリスクを考慮する必要があります。

さらに、為替変動や貿易規制の変更など、外部環境の変化によるリスクも存在します。これらのリスクを適切に管理することが、海外調達成功の鍵となります。

5つの基本ステップで解説!海外部品調達の始め方

ステップ1:調達目的と要求仕様の明確化

海外部品調達を始める前に、まず調達の目的と要求仕様を明確にしましょう。海外調達における複数あるメリットの中でも、御社が実現したい最たる目的は、コスト削減が主目的なのか、BCP対策なのか、あるいは特定の技術へのアクセスなのか。調達の目的を明確にすることで、適切なサプライヤー選定や品質基準の設定が可能になります。

要求仕様については、技術的な仕様だけでなく、品質基準、納期要求、数量、価格目標なども含めて具体的に文書化します。特に、品質については許容範囲を明確にし、検査方法や合格基準を詳細に定義することが重要です。また、現在の国内調達と比較した場合の目標値を設定します。コスト削減率、品質レベル、納期などについて、定量的な目標を設定することで、プロジェクトの成否を客観的に評価できるようになります。

ステップ2:サプライヤーの調査と比較検討

次は適切なサプライヤーの調査と選定です。候補となるサプライヤーをリストアップし、それぞれの技術力、生産能力、品質管理体制、納期対応力などを詳細に調査します。可能であれば、実際に現地を訪問し、製造現場を確認することが望ましいですが、難しい場合は専門商社などを活用して情報収集を行います。

比較検討においては、単純な価格比較だけでなく、総合的な評価が必要です。品質保証体制、技術対応力、コミュニケーション能力、過去の実績なども重要な評価項目となります。

ステップ3:見積取得と契約締結

サプライヤー候補が絞り込めたら、正式な見積を取得し、契約交渉を進めます。

見積取得においては、価格だけでなく、納期、支払条件、品質保証条件、不良品発生時の対応など、取引条件全般について明確にします。また、為替変動への対応方法や、数量変動時の価格条件なども確認します。

契約書には、品質基準、検査方法、不良品発生時の責任範囲、知的財産権の取り扱い、機密保持条項などを明確に記載するようにしましょう。特に、品質基準については具体的な数値や判定基準を盛り込み、後のトラブルを防ぎます。

ステップ4:製造進捗と品質の管理

発注後は、製造進捗と品質の管理が重要になります。

定期的に製造進捗を確認し、納期遅延のリスクを早期に把握します。問題が発見された場合は、迅速に対策を講じることで、納期への影響を最小限に抑えます。

品質管理については、製造途中での検査や、完成品の検査を実施します。現地拠点がない場合は、サプライヤーによる自主検査に加え、第三者検査機関の活用や、リモートでの検査確認など、品質を担保する仕組みを構築します。

ステップ5:輸送(貿易実務)と納品

製品が完成したら、輸送と通関手続きに移ります。

国際輸送には、海上輸送、航空輸送などの選択肢があり、コストと納期のバランスを考慮して最適な方法を選択します。梱包方法についても、長距離輸送に耐えられる適切な方法を指定します。

通関手続きには、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書など、様々な書類が必要になります。これらの書類を正確に準備し、スムーズな通関を実現することが重要です。

納品後は、受入検査を実施し、仕様通りの品質が確保されていることを確認します。問題が発見された場合は、速やかにサプライヤーにフィードバックし、改善を求めます。

なぜ「現地拠点無し」の海外調達は失敗しやすいのか?

現地拠点を持たない海外調達には、特有の課題が存在します。

最大の課題は、品質のブラックボックス化です。製造現場を直接確認できないため、実際の製造プロセスや品質管理の実態が見えにくくなります。サプライヤーからの報告だけでは、真の品質状況を把握することが困難です。

コミュニケーションの遅延も大きな問題です。時差や言語の壁により、問題が発生してから対応までに時間がかかります。特に、技術的な問題や品質異常が発生した場合、リアルタイムでの対応ができないことが致命的な遅延につながります。

また、問題の早期発見が困難です。現地に常駐者がいない場合、製造途中での異常や品質の変化に気づくのが遅れ、大量の不良品が発生してから問題が顕在化するリスクがあります。

さらに、サプライヤーとの信頼関係の構築も難しくなります。直接のコミュニケーションが少ないため、技術的な要求の背景や重要性が伝わりにくく、改善活動が進みにくい傾向があります。これらの課題により、現地拠点がない海外調達では、品質問題や納期遅延が発生しやすく、結果として調達コストの増加や顧客満足度の低下につながるケースが少なくありません。

当社だから可能な、現地拠点に依存しない高品質な海外部品調達

当社では、主にベトナムでの海外部品調達において、「国内以上の品質」を実現する体制を構築しています。

Zoomを活用したリアルタイム検品システム

当社の最大の特徴は、Zoomを活用したリアルタイム検品システムです。お客様は、日本にいながら製造現場の検査をリアルタイムで確認でき、必要に応じて検査内容の指示や品質判定に参加できます。この仕組みにより、現地拠点を持たなくても、まるで自社工場を管理するかのような品質管理が可能になります。検査の透明性が確保され、品質のブラックボックス化を完全に防ぐことができます。

圧倒的な品質実績

当社の品質管理体制は、具体的な実績に裏付けられています。検品合格率99%以上、品質トラブル発生率0.2%以下という数値は、国内調達と比較しても遜色ない、むしろそれ以上の品質レベルを示しています。この実績は、現地に常駐する品質管理スタッフによる厳格な検査と、お客様との密接なコミュニケーションにより実現されています。

設計から製造までワンストップサポート

当社では、単純な部品調達だけでなく、設計段階からのサポートを提供しています。お客様の技術的要求を正確に理解し、最適な製造方法や材料選定を提案します。また、海外工場とのNDA締結率100%により、お客様の技術情報を確実に保護しながら、深いレベルでの技術協力を実現しています。設計から製造まで一貫したサポートにより、品質と納期の両立を実現します。

継続的な品質改善活動

調達開始後も、継続的な品質改善活動を実施しています。定期的な品質データの分析、製造プロセスの改善提案、不良率低減活動など、お客様と協力しながら品質レベルの向上を続けています。また、お客様の要求品質の変化にも柔軟に対応し、新しい品質基準や検査方法の導入にも迅速に対応します。

海外部品調達は、適切な始め方と品質管理の仕組みを構築することで、現地拠点がなくても国内以上の品質を実現できます。株式会社いわいでは、これまで培ってきた経験と実績を基に、お客様の海外調達を成功に導きます。

実際にいわいが海外で調達した製品事例をご紹介

続いて、実際に当社がベトナムをはじめとした海外で調達した精密部品の製品事例をご紹介いたします。

空圧機器用六角プラグ

空圧機器用六角プラグ

この製品は、品質を担保するために、材料に日本製の真鍮(C3604)を使用することが必須条件でした。そのためご相談前のお客様は、コストが割高になる国内での生産を余儀なくされていました。

そこで当社では、お客様の指定する日本製の材料をベトナムに輸入し、現地で製造するというスキームをご提案。これにより、品質条件を満たしたまま、大幅なコストダウンを実現しました。

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クランプブロック

クランプブロック

このクランプブロックの調達において、お客様は深刻なサプライチェーンの問題に直面していました。近年、国内では黒染め処理に対応できる加工業者が年々減少しており、「精密なマシニング加工」から「繊細な表面処理」までを一貫して任せられるサプライヤーが、国内では見つからなくなってしまったとのでした。

この将来的なお悩みに対し、当社はベトナムの提携工場での「一貫生産」をご提案いたしました。加工から表面処理までを別々の企業で行う場合、工程間の輸送で傷がつくリスクや、品質管理の分断といった問題が避けられません。しかし当社では、マシニング設備を保有する加工業者と、黒染め処理設備を保有する表面処理業者と、それぞれで最適なパートナー企業を選定いたしました。これにより、当社による一元的な品質管理体制の下で、移動に伴う品質リスクをゼロにし、お客様の厳しい要求をクリアすることが可能となります。

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A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

アルミ(A6061)製のマニホールドブロックです。マシニング加工後、アルマイト処理を施して仕上げています。

この製品は、機能面・外観面において、一切の傷が許されないという非常に厳しい品質基準が設けられていました。そのためお客様は、品質が安定し、かつ信頼できる検査体制を持つサプライヤーを求めていらっしゃいました。

この厳格な品質要求に対し、当社はベトナムパートナーが持つ高度な品質保証体制でお応えました。

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水処理機械用 カップリング

水処理機械用 カップリング

こちらは、水処理機械に使用されるステンレス(SUS304)製のカップリングです。高精度な四角穴(公差:-0, +0.05)の加工が特徴です。

今回のご相談は、お客様が直面していた、深刻な事業継続の課題から始まりました。まず、長年この部品を供給していた国内の仕入先が廃業してしまい、代替となるサプライヤーが見つからず、やむなくお客様が自社での内製化に踏み切りました。しかし、その頼みの綱であった社内の加工部門も、深刻な人手不足により、担い手がいなくなってしまうという危機的な状況に陥っていました。

お客様が「新たな職人を探して採用するしかない」とまでお考えだった、この「人手不足」という経営課題に対し、当社は海外での一貫生産をご提案いたしました。

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超々ジュラルミン製 分配ブロック

超々ジュラルミン製 分配ブロック

こちらは、機械部品として使用されるアルミ(超々ジュラルミン:A7075-T651)製の分配ブロックです。直角度0.01、平行度・平面度0.02、さらにはH7の穴公差など、複数の厳しい幾何公差が求められる、高精度なマシニング加工品でした。

この製品の最大の課題は、A7075-T651という特殊な材質にありました。お客様はこれまで、「この材料は、専門業者でなければ材料入手も加工も不可能だ」とお考えでしたが、そのためアルミダイカスト専門業者にサプライヤーが限定されることで、コストが高止まりしている状況にありました。

この長年の課題に対し、当社はベトナムの提携工場でのワンストップ生産をご提案いたしました。当社の幅広いネットワークを駆使することで、特殊なA7075材の安定調達ルートを確保することも可能です。さらに、高い技術力を持つパートナー企業にて、材料調達から高精度なマシニング加工、黒アルマイト処理、そして精密検査までを一貫して行うことで、大幅なコストダウンを実現いたしました。

お客様からは、「専門業者しか扱えない」という長年の思い込みが覆され、品質を維持したまま、これほど大きなコストダウンが実現できたことに、驚きと喜びの声をいただいております。

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組立冶具(エア便 特急対応)

組立冶具(エア便 特急対応)

生産ラインで使用されるアルミ(A2017)製の組立治具です。今回は「受注後5日間」という、極めて短い納期でのご依頼でした。

今回のお客様は、急な仕様変更により、組立治具が特急で必要となったとのことでした。しかし、海外調達では船便輸送が基本となるため、このような超短納期での対応は不可能だとお考えでした。

この「特急対応」という非常に高いハードルのご要望に対し、当社はベトナムでの製造と、輸送手段を航空便(エア便)に切り替えるというスキームをご提案いたしました。製造から出荷までを最優先で進め、航空便を活用することで、受注からわずか5日間という、国内調達と変わらないスピードでお客様の元へ製品をお届けすることに成功しました。

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丸頭特殊ボルト

丸頭特殊ボルト

機械部品として使用されるSUJ2製の丸頭特殊ボルトです。冷間加工で成形され、真球度S0.03という極めて高い精度が求められます。

このお話は、お客様が長年取引していた国内の冷間加工メーカーが廃業してしまい、この特殊ボルトのサプライチェーンが完全に途絶えてしまったという、深刻なご相談から始まりました。特に、SUJ2という材質の冷間加工と、その後の高周波焼入れまでを一貫して対応できる、高い技術力を持ったサプライヤーであったため、代替先を見つけるのは絶望的な状況でした。

この危機的な状況に対し、当社はベトナムでのワンストップ生産をご提案。当社のネットワークを駆使し、SUJ2材の冷間加工に対応できるだけでなく、現地で高周波焼入れまで一貫して行えるという、お客様の要求を完璧に満たすパートナー企業をベトナムにて選定し、お客様とマッチングして解決いたしました。

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丸頭特殊ボルトアッセンブリ

丸頭特殊ボルトアッセンブリ

こちらは、特殊ボルト(SCM440他)と複数の部品からなる、丸頭特殊ボルトアッセンブリです。各種サイズを取り揃え、最終の梱包まで含めたOEM供給に対応しています。

このお話は当初、お客様が取引していた国内の部品メーカーが廃業してしまい、構成部品である「特殊ボルト単品」の調達先を探している、というご相談から始まりました。

しかし、当社がお話をお伺いする中で、お客様がその特殊ボルトを調達後、他の部品と組み合わせて社内で組立・梱包作業を行っており、その工数や管理コストが大きな負担となっていることが分かりました。そこで当社は、単にボルト単品を製造するのではなく、関連部品の調達から組立、梱包までをすべて一貫して海外で行う「アセンブリ供給」をご提案いたしました。組立工程の半自動化なども含めた、トータルコストダウンのスキームを設計いたしました。

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海外部品調達代行はいわいにお任せください!

海外調達の納期遅延は、サプライヤー、物流、品質、実務など複合的な原因で発生します。これらのリスクは、一般的な対策だけでは防ぎきれません。

いわいは、独自の「日本品質」基準でのサプライヤー選定、リアルタイム進捗管理Zoom検品による手戻り防止、そして複雑な貿易実務のワンストップ代行により、納期遅延リスクを極限まで低減。貴社の生産計画を守り、**「確実な納品」と「安心」を実現する海外部品調達代行は、いわいにお任せください。

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