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サプライチェーン断絶に備え、製造業が今すぐ着手すべき海外調達とBCP対策

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目次

もし、取引先が廃業してしまったら…といった不安が、購買部門の日常になっている企業は少なくありません。国内サプライヤーの廃業、地政学リスク、関税政策の急変—こうした要因が重なり、サプライチェーン断絶はもはや低確率の事象ではなく、いつ起きてもおかしくない現実になってしまいました。
多くの製造業では、こうしたリスク対応を「いつかやらなきゃ」と先送りにしています。しかし実は、海外調達とBCP対策つまり、事業継続計画対策は、同時に進められるのです。

今回は、サプライチェーン断絶に備えるための具体的なアプローチを解説します。

サプライチェーン断絶とは何か?製造業が直面するリスクの正体

サプライチェーン断絶が引き起こす深刻な影響

サプライチェーン断絶とは、調達先からの供給が完全に途絶える事象を指します。これが起きると、製造業は即座に生産を停止せざるを得ません。なぜなら、現代の製造業の多くは、特定部品の代替案を持っていないからです。代替部品の開発には数ヶ月から数年の期間が必要であり、その間、生産は止まったままになります。

最悪の場合、納期遅延により顧客を失い、その損失がビジネス継続の危機まで発展することもあります。つまり、サプライチェーン断絶は、単なる「調達の問題」ではなく、「経営の危機」なのです。

製造業を取り巻く「断絶リスク」が高まっている背景

国内サプライヤーの廃業は、いまや例外ではなく常態化しています。過去のコラムでも何度か取り上げてきましたが、高齢経営者が後継者不足のまま経営を続け、やむなく廃業を決断するケースが毎年数千件単位で発生しているという課題があります。同時に、地政学リスクも急速に高まっています。米中対立、台湾海峡の緊張、ウクライナ情勢—こうした国際的な不安定性が、海運ルートの変更や関税政策の急変をもたらします。

関税政策だけを見ても、ここ数年の変動は激しいです。米国の対中関税、EUの新規制、各国の報復関税—これらが重なると、調達コストは予測不可能な領域に入ります。

つまり、サプライチェーン断絶のリスクは、単一の要因ではなく、複数の要因が組み合わさって高まっているのです。

サプライテェーン断裂リスクを地政学の観点から解説したコラムはこちら
≫サプライチェーンを襲う地政学リスクとは?製造業が今取り組むべきBCP対策と海外部品調達

なぜ「国内だけ」の調達では限界があるのか?

国内調達が抱える構造的な3つの弱点

国内調達には、現在大きく分けて3つの構造的な弱点が存在します。

  • 調達先の多様化が難しい
    日本国内で同じ技術レベルを持つ代替工場は限定的です。その結果、1社依存になりやすく、その工場が廃業すると供給が途絶してしまいます。
  • 後継者問題による継続性の不安
    今は大丈夫でも、経営者が高齢化すれば、いつ廃業のニュースが飛び込んでくるか分かりません。工場の継続性が保証されない状況です。

    詳しくはこちらのコラムで解説しています。
    ≫技術承継問題とは?製造業の調達担当者が知っておきたい供給リスクと海外調達
  • 人口減少と賃金上昇による採算性の悪化
    特に下請け工場では利幅が薄く、新しい世代が継ぎたいと思いにくい環境になっています。

つまり、「国内調達なら安心」という前提自体が、もう成立していないわけです。

「海外調達=安かろう悪かろう」という思い込み

多くの企業経営陣は、未だに海外調達に対して後ろ向きなイメージを持っています。「海外は品質が不安定だから、国内で全部やるべき」という考えをもつ企業も少なくありません。確かに、海外、しかも発展途上国とやりとりをするとなるとそういった不安やイメージは理解はできます。しかし現実は異なります。

ベトナム製造業の労働力は平均年齢30代と若く、最新設備への投資も急速に進んでいます。日本や韓国からの製造業進出に伴い、先進国の品質管理手法が急速に浸透しているのです。

コスト面でも、単純な比較では見えない構造があります。輸送費や関税を込めた試算では、ベトナム調達で国内比30〜50%程度のコスト削減が現実的に可能です。特に小ロット品では、この削減率がさらに高まります。実際にベトナム工場のコスト試算をした際、関税と輸送費を含めた金額が想定よりも安く出すことができた覚えがあります。それまでは「海外は安いけど品質が」と思っていたのですが、実際には品質と価格の両立が実現してるのだと感じました。

株式会社いわいの経験をもとに徹底解説したベトナムでの海外調達についてはこちらで解説しています。
ベトナムで金属加工品を海外調達するには?品質管理の壁と解決策を徹底解説

海外調達で実際に起きる「生々しい」失敗とその原因は?

文化・商習慣の違いが引き起こすトラブル

海外調達で最も多い失敗は、「文化の壁」から生じています。

日本の製造現場では、職人的な配慮が当たり前です。しかしベトナムの工場では、指示されたことだけをやります。このシンプルな違いが、想定外の品質トラブルを引き起こすのです。同時に、材料調達の複雑さがあります。ベトナムで調達できない高度な材料は日本から輸入する必要があり、この輸入費が積み重なります。加えて、物流費や関税を加えると、当初の予想より割高になるケースも多いです。

ただし、これらは全て事前の綿密な打ち合わせで回避可能な課題です。工場の理解度が高ければ、対応は十分可能なのです。

ベトナム調達におけるリスクと対策を詳しく解説した記事はこちら
≫チャイナプラスワンでベトナム調達を始める前に知っておくべき5つのリスクと対策

丸投げ発注が失敗する構造的な理由

多くの失敗企業に共通しているのが、「丸投げ」です。図面を送って、「後は任せた」という発注方法では、文化的なギャップが埋まりません。丸投げという言葉は少し強いかもしれませんが、日本企業があまりにも優れた企業が多いため「察する」「汲み取る」ができるため、こういったことが無意識に発生してしまうのです。

成功企業は、工場とのコミュニケーション頻度が高いです。月に複数回のオンライン会議、Zoomによる製造現場の確認、問題発生時の即時対応—こうした手間をかけることで、初めて品質と納期が安定するのです。つまり、海外調達の失敗は、技術的な問題ではなく、コミュニケーションの問題なのです。

製造業がBCP対策として海外調達を始めるにはどうすればよいか?

BCP視点で海外調達を設計する3つのステップ

海外調達を安定して進めるためには、以下の3つのステップを踏むことが重要です。

  1. リスク分析
    現在の調達先について、1社依存がないか、経営者の年齢は何歳か、廃業のリスクはないか—こうした点を整理します。
  2. 調達先の多様化
    リスク高の工場については、海外調達でのバックアップを用意します。最初は全体の一部分だけの発注から始め、工場の能力を検証しながら段階的に拡大します。
  3. 継続的なコミュニケーション
    Zoomを活用した定期的な検品、問題発生時の即座の対応—こうした体制を整備することで、海外調達の安定性を高めます。

初めて海外調達の提案をされた時、「こんなに手間がかかるんだ」と思いました。でも実際に進めてみると、この手間こそが品質と安定性を確保する投資だと理解できました。

国内サプライヤーを維持しながら海外調達を並行することはできるか?

答えはイエスです。むしろ、そうすべきです。

国内の優良工場は、その技術力や品質管理能力を維持する価値があります。一方で、廃業リスクの高い工場については、段階的に海外調達へシフトさせます。このアプローチにより、国内の貴重な技術を守りながら、同時にサプライチェーン断絶のリスクを低減できるのです。

サプライチェーン断絶は、もはや対岸の火事ではありません。今から海外調達とBCP対策に着手することが、製造業の経営基盤を守る唯一の道なのです。

いわいだからこそ可能な海外部品調達

「国内品質×海外調達」を実現!海外協力工場の実力を、映像でご確認ください!

【ベトナム企業紹介】 設計から塗装・アフターサービスまでワンストップ対応

本動画では、設計から生産、塗装、アフターサービスまで 一貫して対応できる海外協力企業をご紹介しています。

【海外協力企業紹介】NDAに基づく情報管理体制|部品加工海外調達センター

本来であれば製造現場の詳細をお見せしたいところですが、 本動画では、NDA(秘密保持契約)に基づき公開できない箇所にぼかし加工を施しています。

【ベトナム協力企業紹介】精密加工から組立・塗装までワンストップ。ベトナム巨大加工企業の実力

ベトナムで6拠点・従業員2000名規模の巨大加工企業をご紹介します。

実際にいわいが海外で調達した製品事例をご紹介

続いて、実際に当社がベトナムをはじめとした海外で調達した精密部品の製品事例をご紹介いたします。

空圧機器用六角プラグ

空圧機器用六角プラグ

この製品は、品質を担保するために、材料に日本製の真鍮(C3604)を使用することが必須条件でした。そのためご相談前のお客様は、コストが割高になる国内での生産を余儀なくされていました。

そこで当社では、お客様の指定する日本製の材料をベトナムに輸入し、現地で製造するというスキームをご提案。これにより、品質条件を満たしたまま、大幅なコストダウンを実現しました。

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クランプブロック

クランプブロック

このクランプブロックの調達において、お客様は深刻なサプライチェーンの問題に直面していました。近年、国内では黒染め処理に対応できる加工業者が年々減少しており、「精密なマシニング加工」から「繊細な表面処理」までを一貫して任せられるサプライヤーが、国内では見つからなくなってしまったとのでした。

この将来的なお悩みに対し、当社はベトナムの提携工場での「一貫生産」をご提案いたしました。加工から表面処理までを別々の企業で行う場合、工程間の輸送で傷がつくリスクや、品質管理の分断といった問題が避けられません。しかし当社では、マシニング設備を保有する加工業者と、黒染め処理設備を保有する表面処理業者と、それぞれで最適なパートナー企業を選定いたしました。これにより、当社による一元的な品質管理体制の下で、移動に伴う品質リスクをゼロにし、お客様の厳しい要求をクリアすることが可能となります。

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A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

A6061製 空圧機器用 マニホールドブロック

アルミ(A6061)製のマニホールドブロックです。マシニング加工後、アルマイト処理を施して仕上げています。

この製品は、機能面・外観面において、一切の傷が許されないという非常に厳しい品質基準が設けられていました。そのためお客様は、品質が安定し、かつ信頼できる検査体制を持つサプライヤーを求めていらっしゃいました。

この厳格な品質要求に対し、当社はベトナムパートナーが持つ高度な品質保証体制でお応えました。

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水処理機械用 カップリング

水処理機械用 カップリング

こちらは、水処理機械に使用されるステンレス(SUS304)製のカップリングです。高精度な四角穴(公差:-0, +0.05)の加工が特徴です。

今回のご相談は、お客様が直面していた、深刻な事業継続の課題から始まりました。まず、長年この部品を供給していた国内の仕入先が廃業してしまい、代替となるサプライヤーが見つからず、やむなくお客様が自社での内製化に踏み切りました。しかし、その頼みの綱であった社内の加工部門も、深刻な人手不足により、担い手がいなくなってしまうという危機的な状況に陥っていました。

お客様が「新たな職人を探して採用するしかない」とまでお考えだった、この「人手不足」という経営課題に対し、当社は海外での一貫生産をご提案いたしました。

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超々ジュラルミン製 分配ブロック

超々ジュラルミン製 分配ブロック

こちらは、機械部品として使用されるアルミ(超々ジュラルミン:A7075-T651)製の分配ブロックです。直角度0.01、平行度・平面度0.02、さらにはH7の穴公差など、複数の厳しい幾何公差が求められる、高精度なマシニング加工品でした。

この製品の最大の課題は、A7075-T651という特殊な材質にありました。お客様はこれまで、「この材料は、専門業者でなければ材料入手も加工も不可能だ」とお考えでしたが、そのためアルミダイカスト専門業者にサプライヤーが限定されることで、コストが高止まりしている状況にありました。

この長年の課題に対し、当社はベトナムの提携工場でのワンストップ生産をご提案いたしました。当社の幅広いネットワークを駆使することで、特殊なA7075材の安定調達ルートを確保することも可能です。さらに、高い技術力を持つパートナー企業にて、材料調達から高精度なマシニング加工、黒アルマイト処理、そして精密検査までを一貫して行うことで、大幅なコストダウンを実現いたしました。

お客様からは、「専門業者しか扱えない」という長年の思い込みが覆され、品質を維持したまま、これほど大きなコストダウンが実現できたことに、驚きと喜びの声をいただいております。

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組立冶具(エア便 特急対応)

組立冶具(エア便 特急対応)

生産ラインで使用されるアルミ(A2017)製の組立治具です。今回は「受注後5日間」という、極めて短い納期でのご依頼でした。

今回のお客様は、急な仕様変更により、組立治具が特急で必要となったとのことでした。しかし、海外調達では船便輸送が基本となるため、このような超短納期での対応は不可能だとお考えでした。

この「特急対応」という非常に高いハードルのご要望に対し、当社はベトナムでの製造と、輸送手段を航空便(エア便)に切り替えるというスキームをご提案いたしました。製造から出荷までを最優先で進め、航空便を活用することで、受注からわずか5日間という、国内調達と変わらないスピードでお客様の元へ製品をお届けすることに成功しました。

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丸頭特殊ボルト

丸頭特殊ボルト

機械部品として使用されるSUJ2製の丸頭特殊ボルトです。冷間加工で成形され、真球度S0.03という極めて高い精度が求められます。

このお話は、お客様が長年取引していた国内の冷間加工メーカーが廃業してしまい、この特殊ボルトのサプライチェーンが完全に途絶えてしまったという、深刻なご相談から始まりました。特に、SUJ2という材質の冷間加工と、その後の高周波焼入れまでを一貫して対応できる、高い技術力を持ったサプライヤーであったため、代替先を見つけるのは絶望的な状況でした。

この危機的な状況に対し、当社はベトナムでのワンストップ生産をご提案。当社のネットワークを駆使し、SUJ2材の冷間加工に対応できるだけでなく、現地で高周波焼入れまで一貫して行えるという、お客様の要求を完璧に満たすパートナー企業をベトナムにて選定し、お客様とマッチングして解決いたしました。

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丸頭特殊ボルトアッセンブリ

丸頭特殊ボルトアッセンブリ

こちらは、特殊ボルト(SCM440他)と複数の部品からなる、丸頭特殊ボルトアッセンブリです。各種サイズを取り揃え、最終の梱包まで含めたOEM供給に対応しています。

このお話は当初、お客様が取引していた国内の部品メーカーが廃業してしまい、構成部品である「特殊ボルト単品」の調達先を探している、というご相談から始まりました。

しかし、当社がお話をお伺いする中で、お客様がその特殊ボルトを調達後、他の部品と組み合わせて社内で組立・梱包作業を行っており、その工数や管理コストが大きな負担となっていることが分かりました。そこで当社は、単にボルト単品を製造するのではなく、関連部品の調達から組立、梱包までをすべて一貫して海外で行う「アセンブリ供給」をご提案いたしました。組立工程の半自動化なども含めた、トータルコストダウンのスキームを設計いたしました。

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海外部品調達代行はいわいにお任せください!

海外調達の納期遅延は、サプライヤー、物流、品質、実務など複合的な原因で発生します。これらのリスクは、一般的な対策だけでは防ぎきれません。

いわいは、独自の「日本品質」基準でのサプライヤー選定、リアルタイム進捗管理Zoom検品による手戻り防止、そして複雑な貿易実務のワンストップ代行により、納期遅延リスクを極限まで低減。貴社の生産計画を守り、「確実な納品」と「安心」を実現する海外部品調達代行は、いわいにお任せください。

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